2020/05/19 15:53
シェフの山﨑真人さんのロングインタビュー。山﨑さんがシェフになったきっかけから今回のチーズケーキ企画まで、たくさんお伺いしました。
シェフをはじめたきっかけは、いきつけのカフェレストラン
ーシェフになろうってきっかけはどんな瞬間にありましたか。小さい頃からの夢とか?
ちっちゃいときの料理というか、食に携わった経験はポンポンポンとあるんで。ただ、一切料理人になろうとは思ってなくて。普通に大学で東京に出てきて、もともと建築やろうと、建築学科みたいなところにいたんですけど。
-建築学科にいて、でもそっちの方には就職しようとかではなかったと?
そうですね、建築中でも土木の方の学科で。そうしているうちに、なんか大学があんま面白くないなって。、それで大学の近くにすごい良い、カフェレストランみないな、家具屋さんと一体化してるところを見つけたんです。そこにちょいちょい通ってるうちに、こういう空間を好きな人達とできたら良いなっていうのがきっかけと言えばきっかけです。あとはそこからの悪ノリです。
独立までの、下積みや経験
-独立まではどのくらいでした?経緯などあれば教えてください。
独立は下積みから十年くらいですかね。それも本当に働いたのが、なんていうんですかね…。
最初、レストランが経営してるカフェみたいなところにたまたま入って。わりとそこで自由にやらせてもらいつつ。気付いたら、新店がオープンするときにシェフやらせてもらったりっていうふうになっていって。
-そこはシェフではなかったんですね。
普通にシェフみたいなのがいて、そこのサポートみたいな感じですね。
-新店とともにシェフをやって、どうでしたか。会社員時代、最初で最後のシェフですよね。
そうですね。でも自分の店をだしたときも、なんていうんですかね。一応当時の会社が支援をしてくれたんですよ。
自分の想いと、就職先のサポートがあってからの独立
-気持ち的なところで独立っていうのは何かありました?例えば、その会社の後押しがあったから独立していったのか、自分の意志でなにかあったのかみたいなところで。
あぁ難しいな、なんだろう。元々、自分でお店をやるっていう目標が当初はずっとあって。で、どうしようっていうのをずっと考えてて。そういう話も、会社の社長とかと話してて。
そうしたときに、うちらだったら今こういう物件でこういう案件の話があるから、そこを自分の名前でやってみたらどうかっていので。半独立支援みたいな感じでしたね。
ちょうどその場所も、その空間も面白そうでしたし、隣の食器屋さんとのコラボレーションもするレストランみたいな感じで。食器とかもすごい好きだったんです。それは面白いと思って出店したっていう、感じになりましたね。
一度は独立したものの、いよいよ海外へ
-それでそこから何年か経ってから、旅に出られました?何か理由とかありましたか。
そうですね。それもいろんなきっかけはあるんですけど、ほぼ独学でずっとやってきて。当初はその、パッとミシュランのレストランでやってる同年代の人とかに対するコンプレックスみたいなのすごい強くあって。
-なるほど。その海外は実際どうでしたか。全部で何カ国行かれましたか。
海外行ってみて、すごいなんかこう、視野がだいぶ広くはなったし、考え方かな。物事の受け止め方の角度がすごい広がった感じですね。それで、働いたのは6カ国とかですかね、働いたところだけで言ったらそうですね。
ーその中で最も印象的だったのはどこでした?お店的な話題性になると、ペルーのレストランですよね。
ペルーのレストランは一応レストラン評価は世界的に良いところではありますね。
ただ本当に、レストランとしてどこも素晴らしいことを取り組んでるなっていうのはありましたね。美味しい美味しくないは主観だし、好き嫌いの好みがあると思うんですけど、レストランのチームとして目指している高みは、すごい素晴らしくて。
-働いてきたレストランでそれぞれのオーナーとかオーナーシェフとかの思いとかあったと思うんですけど、それぞれどうでした?
ほぼ同じ感じでしたね。どの国もなんか、日本人よりも一人ひとりがプロフェッショナルでした。それがほんとに細部にいたるまで、掃除の人とか、色んなポジションがあるんですけど。どこを切り取っても、みんなそれぞれの仕事にプライド持ってるっていうところが、一番日本と海外の違いっていうか。それも働く場所にもよるんですけど、こう手を抜きがちっていうか、なんか誰かがやってくれるっていうのよりは、自分がこの仕事は完璧にこなすっていうプライドがすごい。
-まさに自分ごとですね。日本人と外国人ではプライドの重きも違いましたか。
違う感じがすごい、特に印象的ではありましたね。お客さまの為にとか、自分が出してるものに対する、美味しいのをちゃんと出す、とか。
いよいよ帰国。お客さま・シェフ・レストランという垣根を超えたい
-旅するシェフって野生さとか自由さを感じますね。垣根のなさというか。実際、何年か行って日本に戻ってきてから、日本人に対してまたケータリングなどのサービスとか色々されてる思うんですけど、どうですか。
難しい…どうなんですかね。
-お客さまの感覚って言えば良いですかね。久しぶりに日本に帰ってきたときの、その行く前と行ったあとで気持ちの部分での変化はありましたか。
どうなんですかね…。結局、行く前と戻ってきたあとで、物事にその根本的な、料理とお客さまと関係についてはあんまり変わらなかったな、というのはありました。
-当時、独立が目標だったときとはまた大きく変わってきていて、そこの部分と対比してどうでしたか。
単純にレストラン・料理を作る・食べるお客さまがいるっていう、垣根を取っ払った動きが色々できたら面白いなって。海外に行って、一番考えたことかもしれないですね。
どんな状況でも楽しもうのスタンスがあったからこそ
-改めて海外でやってよかったなと思ったこととか、乗り越えた大きな壁みたいなものがあれば教えてください。壁というか、苦いなとか辛かったなけど大きく乗り越えたこととかありましたか。
なんですかね、壁、壁…。辛かったのは…辛かったのはないかもしれないです(笑)。どの状況でも楽しもうのスタンスですかね。それが辛いとかってよりは、こういう問題点がある、ならどう乗り越えようかなっていう思考しか働かなかったですね。
HACARIとの出会いときっかけ
-海外から戻ってきて色々お仕事がある中で、HACARIとの出会いとかきっかけですが、どんなところから始まりましたか。
ほんとに初めましては、共通の知り合いを通して長野の食材を探しに行くみたいな。それで片山さんと出会って、それがきっかけだったと思いますね。
-そこで、一緒になんかしませんかの流れですかね。
そうではなくて。ちょうどその頃くらいにFacebookでチーズケーキをたまに販売してますってやりとりしてて。それで買ってくださって。そこからですね。
-それで旅するチーズケーキに繋がったわけですね。
そこで今に至ったかどうかはよく分かんないすけど、一発目の話は別にチーズケーキではなくって、単純に顔出しに行きますって言って。
HACARIに行って。すごい面白いテーマだなって。色々話を聞いても可能性しかないっていう感じでした。
-可能性というとどんなでした?
なんかこう色んなとこに広がりやすいし、塊いうんですかね、切ってないっていうかなんていうか。色んなことをこれからやろうという状態ですかね。
お互いの想いが重なった瞬間
-ここから始まる感じですか。
はい、始まるところっていうのが、すごい面白そうだなっていう感じもあって。なにか出来ることがあればっていうのが、始まりだったと思います。
-共感もだいぶされたというところもあるし、重なった景色みたいなのってありしましたか。
なんか最近っていうか。単純に、僕も料理を作るとき、あんま出来てないかもしれないですけど、わりとこう、この人の作った野菜を使って作るっていうのをすごいやってて。それで、その気持ちはすごい分かるところはあって。
いよいよBERRYさんとの対面、そして摘みたていちごを愛でる山﨑さん
-今日、伊賀までBERRYさんにも行ってきたんですけど、どうでしたか、いちご。
単純に、素直に美味しかったです。
-わりと味覚に楽無ことのできた一日なのかなと。
そうですね。やっぱり、なんだかんだ摘んで食べた瞬間が美味しかったりする。で、しかもそれがあの農園(*伊賀農園)で作ってるのは、それがマックスの状態。摘み取って、しかも次の日の午前着でいけるっていうので。たぶんほぼ、摘みたてを食べた状態とほぼ変わらない印象があったんで、この感覚で出せるのはすごいな、出してる人がすごいなと思いました。
-そんなBERRYさんのいちごを使った、第一弾の企画がありますよね。サンプルを作ったところだと思うんですが、味のほどはいかがでしょうか。あと思いの部分とかお伺いできればです。
その、チーズケーキを売る、チーズケーキを食べてもらうっていうことが目的じゃなくて。今回はBERRYさんとですけど、農家さんが作っているものをチーズケーキを通して、その食べ手の皆さんに届けれたらっていう。媒体的な、ツール的、中継地点みたいな意味合いのチーズケーキになればいいなとは思っていて。チーズケーキ、僕の作るものを通して色んな繋がりが出来ればいいなって。それがまず第一にありますね。その農家さんの想いを、繋ぐ役みたいな。
今回のチーズケーキに関しては、いちごをいかに活かそうかって、そこに特化したっていう感じですね。
旅するチーズケーキ、また新たにどこに旅をさせよう
-第二弾は白いちご使います、じゃないですか。第三弾以降、どんなイメージがありますか?
本当に色んな方とそういう企画が出来たら良いなと。今回いちご農家さんでしたけど、そういうふうに、届けたいっていう人がどんどん出てきていただけたら、すごい嬉しいです。コンテンツの一つになるのかなって。
-なるほど。ありがとうございます。では最後に。旅するシェフと旅するチーズケーキっていう組み合わせだとは思うのですが、山﨑さんは、どこに旅をしに向かうのかっていうところをお伺いしたいです。
なんですかね。料理にもそうですし、販売する側、問屋さんみたいなことって結局中継地点の役割でしかないと、正直に思っててて。単純にいかに想いを膨らませて届けれるかっていうところを、大本のテーマに色んな動きが出来たら良いなとは思ってます。
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